パプワな人々 1






速水VS桜小路・マヤ・黒沼



「はぁ・・」

「どうしたの、マヤちゃん。ため息なんてついて」

「桜小路くん・・あのね、実は昨日・・紫のバラの人と会えるはずだったの。
でも、いくら待っても来てくれなかった。・・・どうしてかな。
あの人に会っていつかお礼をしたいと思うのは、私の浅はかな夢でしかないのかな」

「マヤちゃん・・紫のバラの人にあまり心を傾けない方がいい。
彼は美しい夢だったんだよ。そう、最初からね・・」

「あっさり夢オチにするんじゃないっっ!!!」

「あ、速水さん!」

「(チッ)速水社長、どうしてここへ」

「今日は急遽黒沼さんと公演に関する打ち合わせをすることになってね」

「打ち合わせ、ですか。相変わらず仕事と私欲を混同した人ですね」

「そういう君もちびちゃんが出演する舞台のオーディションは、必ず受けに行っているという話じゃ
ないか」

「僕はいつもマヤちゃんを四六時中暖かく見守りたいと思っているだけですよ」

「わかった、おまえは後で警察に突き出す」

「あなたもいい加減にご自分の立場を考えられたらどうですか?美しい婚約者がいながらいつまでも 彼女にこだわるのはやめてください」

「・・そうか、やはり君の仕業なんだな? 昨日マヤと待ち合わせをしていたホテルのロビーで、
一分の隙もないアリジゴクのように紫織さんが待ち構えていたのは」

「あの人とはすっかりメル友ですよ」

「くぅぅっ!42巻で携帯電話などという文明の利器が出現したがためにっ。全く余計なことをっっ!」

「二人とも何を話してるんですか?仲がいいんですね」

((どこをどうしたらそう見えるんだっ!!))





「おい、おめぇら何してるんだ、早く部屋へ入らねぇか」

「あ、黒沼先生。今、速水社長とマヤちゃんと桜小路くんが中にいるんですが、なんだか変なオーラ が出ていて近寄れないんですよ」

「またあいつらか。・・仕方ない。他のメンバーは稽古場を隣に変更だ。好きなだけやらせておけ」



<Fin>




「PAPUWA」7巻が面白くて、セリフをあちこちに引用して作った話です。
ガラカメとは余りにかけ離れたジャンルの漫画ため、元ネタを知っている人はほとんどいないだろうと 思い、実験のような気持ちで1週間ほど期間限定でUPしました。

頂いたご感想を見るに、やはりパプワを知らないという方が大多数でしたが、セリフの面白みが功を 奏してか、思いのほか受け入れて頂けたので続編を書くこととなりました。
皆さん、こういうノリもお好きなんですねー。(もちろん私もですが)