涙〜Teardrop〜 後編






真っ青な空は、真夏の太陽の光を反射してあまりにも眩しかった。だが、暑さは都心のそれとは全く 違っている。寺の広い地所は木々が多く、木の葉はどれも精一杯陽光を浴びようと開ききっていた。 木のもたらす蔭の涼しさは盛夏の中にあって心地いい。
 喪服を着て、案内状に書いてある時間より1時間早く、マヤは菩提寺に到着していた。何もしなくて も全ての準備は紫のバラの人がしてくれていることは疑いようもないことだが、やはり施主としては 早く行った方がいいだろう。そう思って、一緒に行こうと言ってくれた麗を断ってまで早く来たのだ。勿 論、母の傍で一人でゆっくりと彼のことを考えたい気持ちもあった。
 お寺に着いてみるとやはりすることは何もなかった。法事の手配などはどうなっているのかを知り たくて、忙しそうにしている寺男を捕まえて尋ねてみると、名を伏せたある人からの指示で全て支度 は整っていると教えてくれた。予想通りの事態。マヤは退屈しのぎとばかり表に出、ぶらぶらと歩い て回ることにした。考えてみればこの寺でこんな風にのんびり過ごしたことは一度もなかった。最初 に訪れた時は母の遺骨の埋葬のためであり、あの時はショックで何をどうしたのかも覚えていない。 一人で歩いたのか、誰かに支えられたのかさえ。その後、ここを訪ねることは何度かあったものの、 そんな時でも、いつも紅天女を追いかけていたマヤにはゆっくり母と語り合う時間を持つことさえでき なかったのだ。
 何も考えずに歩いていけば、足は自然に母の墓へと向かう。立派過ぎることはないが、だからと
言って決してみすぼらしくもないその墓は、何も持たないマヤと母のために大都芸能が用意してくれ たものだ。そのことについて改めて考えたこともなかった自分に愕然とするマヤだった。お墓一つを
とっても、あの人が自分のしたことを悔いていることと、誠心誠意の償いの気持ちを持ってくれている ことがわかるではないか。その墓に、時々参ってくれていることをあの人は言わないだけなのだ。い つか、お墓の前であの人の姿を見かけたことがあった。お墓の前にあの人が万年筆を落として行っ た。それをあの人は確かに自分のものとして受け取った。誰よりも憎んでいる男が、大切な恩人だと 知ったあの日・・・。だが、もしかしたら母が自分に本当のことを教えてくれたのかもしれないと、今な ら思える。言葉では言い尽くせない感謝をしている紫のバラの人が、実は心の底から憎んでいるは ずなのになぜか憎みきれないあの男だとは信じたくない自分に、勇気を持って本当のことを見つめ なさいと、許す心を持ちなさいと、母が教えてくれたのではないだろうか。だとしたら、母さんは全てを 知ってなお、速水さんを許せているのかしら・・・?
 ぶらぶらと墓の間を縫って歩く。整然と並ぶ墓碑たちはどれも強すぎる太陽の光にじっと耐えなが ら立っていた。それらは夏独特の光の喧騒を吸い込み、静寂を生み出しているようだ。歩き続けてい るうちに、いつも目印にしている大きなお墓の姿が見えてきた。碁盤の目のようなこの墓所でうっか り者のマヤが迷子にならずに母の墓へと辿り着けるのはその「目印のお墓」のおかげなのだ。あの 角を曲がれば母の墓がある。ぼんやりと思考の底に沈みながら歩くマヤの足は無意識に母の元へ 向かって行った。
 
 これはどういうことだろう・・・?あの背の高い後姿はどう見ても・・・。だが、なぜ彼がここに・・・?案 内状のリストには彼の名前はなかったのに・・・。
 漆黒のスーツをスマートに着こなし、炎天下にも負けずに大きな紫色のバラの花束を持って立つ
真澄の後姿を見ても、マヤの思考はまるで理解することを拒否するかのように真実が認められない。 激しい驚きに打ちのめされてただ一度、大きく息を飲み込むとマヤはそれきり硬直してしまった。
 だが真澄の方ではその気配に気がついていた。誰か来たのかとゆっくりと後ろを振り返る。
「やぁチビちゃんか」
 悪びれず、どこか嬉しそうにすら見える笑顔で真澄がマヤの顔を見ながら話しかけてきた。マヤは 何も返す言葉が見つけられずに、イヤでも目を引く大きな花束に視線を向けたまま、ただ立ち尽くす だけだ。
「あぁ、これか?残念だが今日はきみに贈るために持ってきたんじゃないんだ」
 マヤの視線が花束に向けられていることに気がついた真澄は、まるで世間話をするかのようにさり 気なくそう言うと振り返って墓の方を見た。
「今日はきみのお母さんのお墓にこれを供えに来ただけでね」
 マヤの頭の中は、この信じられない出来事を理解しようと今、懸命に働いているところだった。その マヤの、明らかに混乱した顔を静かに見つめていた真澄は、やがて重々しく口を開いた。
「このタイミングで告げることが正しいのかどうか、正直、俺にはわからん。だがマヤ」
 声を聞き、マヤはそこに真澄がいることを急に思い出してゆっくりと視線をバラの花束から彼の瞳へ と移す。そんな様子のマヤを、射抜くような真剣な眼差しで逸らすことなく見つめ返し、真澄は言葉を 続けた。
「きみが紅天女に選ばれなかったあの時、俺は、きみにはまだ俺が必要なのだと思った。紫のバラ の人としての俺が」
 あぁ、この言葉は。これはあの日のカードに書かれていた言葉と同じ・・・。マヤの脳裏にハッキリ と、カードに記された美しい文字が思い出されていた。この文章を書いている彼を思って、何度その 文字を指で辿ったことだろう。どれほどあの言葉が嬉しかったことだろう。あの日の喜びが再びマヤ の胸に戻り、その心を熱くしていることを真澄は知らない。ただ、呆けたように沈黙を守るマヤに恐れ を抱きつつも、後には戻れない自分を確信するだけだった。
「この1年ほどの間、きみと何度も食事に行った。観劇もした。食事の後、ドライブにも行ったな」
 真澄が思い出を一つ語る度、マヤの心にも同じ思い出が浮かんできた。その度に、どれほど幸せ な気持ちになったことだろう。そしてアパートの、自分のちっぽけな世界に帰ってきた時に、どれほど 切ない気持ちになったことだろう。婚約者のいる人を好きになってしまった切なさ。好意など持ってく れるはずもない人を好きになってしまった切なさ。その人の優しさを勘違いしている自分に気づいて しまった切なさ。それを思ってどれほどの涙を流したことだろう。波のように押し寄せては返していく 思い出の中の感情に翻弄され、立っているのが精一杯のマヤはまだ言葉もないままだ。自分の姿 を認めてから一言も発しないマヤを直視することが辛くなったのか、真澄は遂に視線を落とした。そし てまるで地面に転がる小石の一つに心を奪われたかのようにそれを凝視しながら言葉を続ける。そ んな真澄の姿がなぜだかとても痛々しくマヤの目には映っていた。
「きみと時間を過ごす度、俺は思った。もしかしたらきみも俺に好意を持ってくれているのじゃない か、とな。それともこれは、俺の勘違いなのか・・・?」
 最後の言葉はひどく怯えたように弱々しく聞こえた。いつも聞く、自信たっぷりの彼の声ではない。 だがその響きこそが、彼の本当の声だとマヤには思えてならなかった。大人で、社会的にも成功し ていて、お金持ちでハンサムなこの人が、今はまるで小さな少年のように自信の無さそうな様子で 立ち尽くし、こんなちっぽけなあたしの答えだけを欲している。そんな彼が、なんだかとても可愛く思 えてしまった。男の人を“可愛い”などと感じる自分に戸惑いながらも、マヤはその自分の感情に素 直になってみたいと思った。なぜそんな風に思えたのかはわからない。もしかしたら、母が背中を押 してくれているのかもしれない。ふいにそんな考えが頭に浮かぶ。そうだ。一度だけでいい。自分に 素直になってみよう。勿論それはとてつもなく勇気のいる賭けではあるが。
「やっと、名乗ってくれたんですね?紫のバラの人・・・」
 初めて口を開いたマヤの言葉に真澄は激しくショックを受けているようだった。その衝撃の度合いを 示すように、瞳が大きく見開かれている。
「マヤ、きみは知っていたのか・・・」
 突然襲ってきた驚きが言葉を奪ってしまったのか、真澄は話すことも、息をすることさえも忘れてし まっていた。体の中心からこみ上げてくる、大きすぎる熱い塊が真澄を苛む。だがマヤはその姿を優 しい気持ちで見つめていた。何故か自然と沸いてくる柔らかな笑みが、唇の両端を持ち上げるのが わかる。嬉しいのだ。マヤは悟った。あたしは本当に嬉しいのだ。月影先生の下、何年も「紅天女」を 巡ってこの人とは確執があった。母の敵と恨んだこともあった。それなのに何故か憎み切れずにいる 自分の心がわからず、随分悩んだりもした。彼への恋に気がついてからは、あの美しく完璧な人と 並ぶ姿を見て生木を裂かれるほどの苦しみを味わった。でも、もういい。この人はこうして紫のバラを 持ってあたしの前に立ってくれたではないか。これ以上何を望むことがあろう。
「済まなかったマヤ。今まで隠してきたことも、きみのお母さんのことも。俺は本当は・・・、俺は本当 に・・・」
 突然真澄が口走る。だがその言葉は脈絡もなく、思いをうまく言葉に乗せられていないようだった。 焦りのためか瞳はあちこちに忙しく動き、マヤを見つめることもない。うろたえた様は大都芸能の社 長としてとても人には見せられない姿だろう。この人でもこんな風になるのかと、マヤは可笑しく思っ た。
「もういいんです、速水さん。でもひとつだけ聞かせてください」
 柔らかな微笑のままで、あたふたと言葉を紡ごうと焦る真澄に、まるでなだめるように言葉をかけ る。色んなことがあっても、彼が告白してくれた勇気を思えばどんなことでも受け入れられる気持ちな のだ。それでもマヤには聞かなければならないことが一つだけあった。この言葉を聞けなければ自 分と真澄とは前へは進めない。
「どうして今まであたしを助けてくれていたんですか?」
 精一杯の言葉だった。彼が紫のバラの人であるとわかった時からずっと心に引っかかっていた最 大の疑問。もしかしたら?と思ったこともあったが、本当のことを知りたい。彼の口から聞きたい。祈 るような思いでマヤは真澄を見つめた。
「きみが好きだからだよ・・・。愛したからだ。そして今も、愛している・・・」
 まるで、心の中の全てを絞り出すような苦しげな表情で、しかし偽ることなく真澄ははっきりと答え てくれた。“もしかしたら”と、マヤの心に何度も沸いては、その都度打ち消してきた言葉。“そんなこ とはない。あるはずがない”。だが、打ち消す傍から今度は“そうであって欲しい。そうであってくれれ ば・・・”と期待する気持ちが生まれてしまい、その気持ちがその度にマヤの心を傷つけてきた。その 傷が、激しい痛みと共にどれほど多くの血をマヤに流させてきたことか。だが今の真澄の言葉がそ んなマヤの血を綺麗に洗い流し、痛みを取り去り、傷口をふさいでいく・・・。
 何もいらない。もうこれ以上は・・・。母さん、もしかしたらあたしと彼に勇気をくれたのはあなたです か・・・?母の墓の前で自分に素直になれる勇気を得たマヤはそんな気がしてならなかった。
 その時、真澄がふいに立ち尽くすマヤに向かって腕を伸ばした。その長くて繊細な印象を与える指 はそっと優しくマヤの頬に触れている。
「泣きながら笑うとは、不器用なちびちゃんにしては器用なことをするな」
 真澄に言われて、マヤは初めて涙を流している自分に気がついた。そうなのだ。自分は微笑みな がら涙を流しているのだ。この涙はなんだろう。嬉しいのに泣くなんて・・・?
 真澄は手にした大きな花束を見やると一旦言葉を切り、スラリとした美しい指で花束の中から一本 のバラを抜き取った。そして、流れるように優雅な動きでその一輪をマヤに差し出す。
「一本ぐらいなら構わないだろう」
 差し出されたただ一輪の紫色のバラに素直にマヤは受け取った。今まで数え切れないほどのこの バラを彼から贈られてきた。どれも本当に嬉しかった。どれほどこの花に勇気付けられてきたことか。 この花がなければ今の自分はありえない。けれど。今日のこのバラが今までで一番嬉しかった。
「嬉しい・・・」  




 優しい微笑のままはらはらとこぼれ落ちる涙たち。それを拭うこともせず流れるままにしているマヤ は、真澄にはこれ以上ないほどに美しく見えた。清らかなオーラがマヤを優しく取り巻いているように さえ見える。そのオーラはもしかしたらマヤの母、春なのではないか、とふいに真澄は思った。そん なばかな・・・。そんなことを思うのは、春に、そしてマヤに対して罪の意識があるからなのだろう。い つもの真澄なら、そう思えば今ここにこの花束を持って立っていることが急に卑怯なことのように思え てくるはずだ。だがなぜか今日は違った。それはなぜなのか彼自身にもわからないが。
「あ・・・」
 マヤの愛らしい姿に見惚れながら己の思考にはまっていた真澄の意識を現実に戻したのはマヤの 小さな声だった。
「どうした?」
「今、母さんの声が聞こえたような気がして・・・」
 真澄の感じていた春の気配を、マヤは娘なだけにより強く感じたのだろうか。言葉を聞き取れるほ どに。
「お母さんは、なんと言っていた?」
 正直、聞くのが怖かった。彼女を娘と引き離したのが自分であると気づいていたとは思えない。だ がもし本当に死者の魂が彷徨うのなら、もう自分のしてきたことは全て知られているだろう。そんな 春からどんな言葉をマヤは聞いたのか・・・。だが聞かずに済ませることも真澄にはできなかった。マ ヤを愛していると告げてしまった今、なかったことにはできない問題であり、乗り越えなければならな い問題であろうと思えるからだ。受け止めよう。憎んでいるはずの俺からの“紫のバラ”を「嬉しい」と 受け止めてくれたマヤのように、この俺も恐れずに受け止めよう。相変わらず微笑みながら涙を流し 続けるマヤを見つめ、真澄は覚悟を固めていた。
「“よかったね、マヤ”って聞こえました・・・」
 真澄がマヤに両腕を伸ばす。いつしか花束も取り落としていた。大切な物はもう、マヤしかいない。 きつく、きつく抱き締める。マヤもしがみつくように真澄に両腕を絡み付けてきた。もう離さない、離れ ない。互いの想いが今ようやく、一つになることができた。長い長い道のりを経て。
 息もできないかと思えるほどにきつく真澄に抱き締められ、同じように持てる限りの力で彼を抱き締 めるマヤの顔はやはり微笑みと涙で飾られていた。きっと今日、勇気が出せたのは母のおかげだろ うと思える。母が背中を押してくれたのだろう。いや、もしかしたら今日だけではないのかもしれな い。自分はいつも母に見守られてきたのかもしれない。そのことに気がつかなかっただけなのだ。今 まで見えていなかった、母の大きな愛に守られている自分を実感し、マヤの心はまんまるに満たさ れていた。
“母さん、ありがとう・・・”


「えー、ゴホンゴホン」
 突然の第三者の闖入に二人は驚きと共に現実に引き戻された。
「お取り込み中のところ申し訳ないんですけどね。もう、法事の出席者は全員揃ってるし、時間もとっ くに過ぎているんですけどね」
 黒のパンツスーツをサラリと着こなした麗が大仰に咳払いをし、腰に手を当て仁王立ちしているで はないか。驚いて弛められた真澄の腕の隙間から慌てて腕時計を見れば確かに11時をもう、20分 ほども過ぎていた。
「きゃぁ、大変!」
「ほら、急ぐよ!施主が遅刻してどうするんだい!」
「ごめん!今行く!!速水さんも急いでくださいね!!」
 麗に促され駆け出したマヤは真澄を一度だけ振り返るとそれだけ言い残し走り去ってしまった。

「マヤ。よかったね」
 走りながら麗がマヤに微笑みかけた。麗が覗き見していたとも立ち聞きしていたとも思えない。恐 らく、勘のいい彼女は一瞬にして二人の間に起こったことを把握したのだろう。多くは語らずに祝福し てくれるその心遣いがマヤには何より嬉しかった。そんな麗に答える術は、今はただ一つしかない。
「うん!!」
 まだ乾ききらない涙と共にありったけの笑顔を向けるだけだった




<Fin>



硝子様コメント

 この作品は、こちらのサイトにもリンクされていらっしゃる「ガラスの楽園」様にてくるみんさんが描か れた「お絵かきBBS」のなかの一作、「泣き笑い」をイメージして書かせていただきました。
 マヤちゃんが紫色のバラを一輪だけ手にし、幸せそうな笑顔であるにもかかわらずその瞳からは涙 がこぼれている・・・。これはどういうことかと考えました。考えながらよく見ると、マヤちゃんの服が髪 と同じ色だったんですね。茶髪じゃなくて今時珍しい?漆黒の髪の乙女、マヤちゃん。その髪の色と 同じと言うことはこれは墨染めの衣装であり、彼女が黒い服を着ていた記憶があまりなかったので、 これは恐らく喪服であろう、と。喪服で、微笑みながら涙を流して、紫のバラを手にしていて・・・。膨ら んだイメージはお墓でのマヤちゃんと速水さんのシーンでした。では誰のお墓だろう?と考えた時に 真っ先に思い浮かんだのが春さんです。そう言えば彼女が亡くなって何年経つのかな?そろそろ七 回忌の時期じゃなかったっけ?等々・・・。

 大切な作品に勝手にパロを書いてしまったことを快諾して下さり、なおかつ、生まれたてのサイトに このような愚作をUPして下さり、更には言い訳までさせて下さったくるみんさんに心よりの感謝を申 し上げます。
 そして、駄作に最後までお付き合い下さいました皆様にも、同じように感謝申し上げます。

 皆様、本当に、本当に、ありがとうございましたm(_ _)m


感謝を込めて、皆さんのご多幸をお祈りしている硝子より




管理人コメント

とてもありがたく、もったいないと思うのは、これはサイト開設祝いとして書かれたものではないという ことです。たまたま私が描いたマヤのイラストを硝子さんが気に入ってくださり、それを元に小説を書 かれた、ということなのですから。
もうほとんどお話ができている段階でお知らせ頂いて、ひどく驚きました。
そのときに丁度サイトを仮オープンしていましたので、ありがたくこの小説を展示させて頂く運びとな ったのです。
本当に、まるで計ったかのようなタイミングでした。

マヤの黒い服、これはイラストの雰囲気を壊さないためにあえて暗い色にしたのですが、それがこの ように思わぬ展開へと繋がっていくとは思いもしませんでした。
小説を読んだときには、七回忌という設定はマヤと速水さんの間の抜けない棘・・母親の問題に目を 向けるためだと思っていましたので。
ですからコメントを後から頂いて、またもや驚かされたわけです。

硝子さんには感謝の気持ちをどのように表して良い物やら、見当もつきません。
本当にありがとうございました!

私にとっては読むだけで胸がいっぱいになるこの小説、皆様の心にはどう映りましたでしょうか?